地鎮祭に使用する幕については「知っていますか?地鎮祭の5つの絶対NGポイント!」でも詳細に触れましたが大事なことなのでもっとも基本的な要点のみを再度取り上げましょう。
さて、時折、紅白幕のみを使用した地鎮祭を見かけます。しかし正式には紅白幕だけではいけません。もう一つ、青白幕も使用します。
紅白幕は一般的なもの、我々普通の人間のための幕。一方、青白幕は別格で、格上の儀式や神様の場所に使用される幕です。
ですから神様をお迎えする地鎮祭には、神様のための青白幕と人間のための紅白幕の両方を使用することが正式なやり方なのです。
地鎮祭は神事ですから、大事なことは神様の場所と人間の場所を明確に分けて示すことなのです。まず、この基本的な前提をしっかりと頭に入れてほしいのです。
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みなさん、地鎮祭を行うにあたり祭壇の向きに注目したことはありますか?
あまり気にかけたことはないかもしれませんが祭壇の向きにも意味があります。
さて、ここでクイズです(笑)
祭壇は東西南北のどの方角に向けて設置するのが良いでしょうか?ちょっと考えてみてください。そしてその理由はなんですか?
答えは「南向きに設置する」です。
その理由は・・・
南向きに設置すると後ろが北になり、左右が東西になりますね。そうすると東から昇った太陽が西に沈むまで終始祭壇に陽が当たることになります。つまり南向きにすれば神様にずっと陽が当たっている状態になるというわけです。祭壇に陽が当たらず暗い日陰の場所になってしまっては神様に失礼ですよね。
とはいえ、土地によっては必ずしも祭壇を南向きに設置できない場合もあります。そのような時は、祭壇が東に向くように設置します。西が後ろになりますから、時間が経つにつれ太陽は祭壇の後ろになり祭壇の正面は陰になります。このような場合は太陽が祭壇に当たる午前中に地鎮祭を行うようにします。
我々はいつも方位磁石を持って現場に行きます。現場で方位をきちんと確認し祭壇の位置を決めるのです。建主によっては方角を勘違いしている場合もあるので正確に方位を調べて建主にも納得していただくことが大事ですよ!
長年の経験から、こんな風に目には見えない部分や細部にまで気を配ることが神事や行事を成功に導くのだと確信しています。
令和4年1月 藤原 宣雄