ある時、取引先の建設会社から「建主より礼状が届いた」と連絡をいただきました。
その礼状の内容とは
『地鎮祭は神主さんがお祓いをしてさっさと済ませるものだと思っていたら、しっかりとテントが建てられ、幕が張られ、とても神聖な雰囲気でやっていただき大変感動、感激しました。有り難うございました』
というものでした。
それを聞いて大変嬉しかったのですが、みなさん、ここでお気づきでしょうか?
建主は地鎮祭に感動したわけですが、礼状の宛先は地鎮祭の設営会社ではなく、建設会社です。つまり、建主が地鎮祭に感動した気持ちは、そのまま建設会社に対する好印象や好評価に繋がるということなのです。
会社の好評価は、その会社のブランドイメージに直結します。ということは、地鎮祭を神事としてどれだけしっかりと執り行ったのか、それが建設会社のブランドイメージにそのまま影響すると言えるのではないでしょうか。
良いブランドイメージができれば仕事がスムーズに運ぶことは容易に想像できますね。実際、地鎮祭に好印象をもった建主がその建設会社を知人に紹介し、新規契約が成立したという例もありました。
繰り返しになりますが、地鎮祭は工事の安全祈願であり神事です。建設会社が地鎮祭を神聖なる神事としてしっかりと捉え取り組むことが、建主からの信頼を得、それが会社のブランドイメージに好影響を与え、それによって会社もさらに発展していくことになると思うのです。
余談ですが、ある建設会社では地鎮祭に営業担当者だけでなく支店長も出席されていました。建主は建設会社のそのような姿勢に好印象や信頼感を持ったのではないでしょうか。
また、地鎮祭は屋外で行われますから、当事者ではない人々も地鎮祭を目にしますよね。その不特定多数の人たちも地鎮祭の様子からその建設会社の印象をなんとなく受けるといえますね。
さて、建設会社のブランディングに影響を与えるといえる地鎮祭。そんな地鎮祭に対してどのような姿勢で取り組むか、が大事なことだと思いますが、ここで、その姿勢を決める大前提の考え方をお伝えしましょう。
それは「地鎮祭は建主だけでなく、建主と建設会社が共同で行う安全祈願であり、建設会社も地鎮祭の当事者である!」ということです。そのことをしっかりと頭に入れて地鎮祭を執り行っていただければと私は思うのです。
令和4年8月 藤原 宣雄