式典には来賓や一般関係者、主催者など立場の異なる方々が参加されますよね。その時、参加者の席次や胸につけるリボンの色はどのように決めたらよいのでしょうか?
今回は、いざとなると迷いがちな席次とリボンについてお話ししましょう。
席次には「上座(かみざ・じょうざ)」と「下座(しもざ・げざ)」があります。
上座は来賓やお客様などに座っていただく席で、下座は参加者をもてなす側が座る席です。
座る側から見た場合、舞台など正面に向かって右側が上座、左側が下座。
舞台から客席を見た場合は舞台の左が上座、右が下座となりますね。
なぜ左右で上下が決まるのでしょうか?
かつて中国の皇帝は北(北極星)を背にして座することが良いとされていたそうです。その皇帝から見ると、背が北、正面が南ですから、左は東、右は西になりますよね。太陽は東から昇り西に沈むことから、東をより尊び、西よりも東を上位とする考え方が生まれたようです。
これを「左上右下(さじょううげ)」といい、この考え方が日本に伝わってきたようです。
また、出入口から遠い方が上座、近い方が下座という考え方もありますね。
これは、入口から敵が侵入してきた時、大将が真っ先に討たれてしまうことを避けるため、位の高い人物は入口から遠い場所にお通しするという考えからきたものという説があります。
この基本となる二つの考え方を基準に、状況に合わせて席次を決めていくと良いですね。
大事なことは、席次は「目上の方に敬意を払い参加者に快適に過ごしていただく」という気持ちを表すものであるという事だと思います。主催者はこの想いを軸に、誰もが気持ちよく参加できる場を作るという意志を持つことが大事なのではないでしょうか。
式典で胸につけるリボンは胸章(きょうしょう・むねしょう)といいます。白、赤、黄、ピンクなどさまざまな色の胸章がありますね。
日本では古来より上位の方は白色の胸章を使用していたようです。そのため今日でも主催者は白色リボン、来賓は赤色リボンを使用していることが多いですよね。
赤白以外の色は組織別など区分けが必要な時に使うと便利です。なお、弔事(ちょうじ)には白黒リボンを使います。
慶事の式典では、赤と白が一般的ですが色に絶対的な決まりはなく自由に考えて良いようですよ!
令和4年3月 藤原 宣雄