イベント考ラム(コラム)

一本締めの手打ちは一回、三本締めは三回だと思っていませんか?

「それでは、一本締めで締めます。みなさん、お手を拝借、いよ~っ!」
こんな風にイベントの最後にみんなで手打ち(手拍子)をする行為は、多くの方が経験されていると思います。

さて、ここで質問です。

一本締めとは次のうち、どれでしょうか?

1.パン! と一回手打ちをする
2.パパパン、パパパン、パパパン、パン! と全部で10回手打ちをする
3.その時によって主催者が決めてよい

正解は………

「一本」締めですから、「一回」手打ちをする1番!
ではなく、
10回手打ちをする2番です。

3番は論外ですね(笑)

「手締め」の手打ちは「パパパン、パパパン、パパパン、パン」が基本形です。これが1セットであり、この1セットを一回行うのが一本締めです。
なぜ10回なのかというと「パパパン、パパパン、パパパン」だと9回となり「九」「苦」に通じることから、最後に1を足して「九」が「丸」になり、丸くおさまるという意味があるという説があります。
一本締めは10回手打ちをした後、みんなで拍手をし、主催者が「ありがとうございました」と言ってお開きとなります。

では、一回だけパン!と手を打つのはなんと言うのでしょうか?
それは「一丁締め」と言います。ただし関東では一回だけ手打ちをすることを「一本締め」と言うようです。そこで「一丁締め」のことを「関東一本締め」と言い、10回手打ちをする一本締めと区別をしています。
一丁締め(関東一本締め)はパンと一回手を打ったらそれで終了です。みんなの拍手も主催者の「ありがとうございました」も必要ありません。

三本締めは、1セットを三回行うもので、手締めの正式なやり方とされています。
1セットを三回行った後、みんなで拍手をし、主催者が「ありがとうございました」と言って終了します。
一丁締め(関東一本締め)や一本締めは三本締めを簡略化したものなのです。

ところでこの「手締め」の意味をご存知でしょうか。
「手締め」はイベント等が無事に終了したことや契約成立など物事の成就に対して「参加者や協力者に感謝」し「手を打って締める」という日本の風習のひとつです。
ですからイベント等の主催者が音頭をとって行うのが作法です。来賓の方に手締めを依頼するのは失礼になります。来賓として出席した方が万が一依頼された場合はお断りするのがマナーです。

なお、「関東一本締め」のように手打ちには「名古屋ナモ締め」、「大阪締め」、「博多手一本」など地域によって様々な呼び方や合いの手、リズムがあるようです。みんなと揃って手締めができるように出張などで訪れた地域でのやり方を念のため確認しておくといいかもしれませんね。

令和5年3月 藤原 宣雄


香川高松のイベント運営・企画支援会社ふじイベントサービスが、これまでに手掛けてきた数々のイベントから学んだ経験とノウハウを、代表 藤原 宣雄の目線で語ります。
イベント主催者や、イベントに関わる様々な関係者にとって、何かの参考になれば幸いです。


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